競馬ファン同士の会話で、必ずといっていいほど登場する話題――
それが「過去に当てた3連単万馬券の話」。
しかもなぜか、その話は美談として語られることが多いのです。
「◎△☆で3連単獲ったんだよ!」「あれは痺れたよなあ〜」
と、まるで英雄譚のように語られるその背景には、いくつかの心理的な“罠”が潜んでいます。
◆ なぜ3連単だけが語られるのか?
的中報告の中でも、単勝や馬連、ワイドより3連単が圧倒的に語られる理由。
それは、ズバリ「ドラマ性と金額のインパクト」です。
- 配当が高い(万馬券〜数十万馬券)
- 買い目が複雑で「当てた感」が強い
- 予想が的中したときの説得力が高い
結果として、「当てた人=スゴい予想家」という空気ができあがります。
◆ 実際のところ、回収率は?
ところが、3連単ばかりを狙っていると、現実はそう甘くありません。
- 的中率が1〜3%台
- 高配当の裏に、大量の“ハズレ馬券”がある
- 的中しても、回収率100%を超えていない人も多い
つまり、「3連単を当てた話」は目立ちますが、「当たらなかった99回」は語られないのです。
◆ 自慢話ではなく、記憶のトリック?
人は自分が成功したときの記憶を美化する傾向があります。
特に競馬のようなギャンブルは、ドラマ的な出来事が強く記憶に残ります。
たとえば…
- 「この騎手が乗り替わったから買ったんだよ」
- 「馬場が悪化すると読んで、差し馬にした」
- 「締め切り1分前に切り替えたのが功を奏した」
こうした“後付け”が積み重なって、まるで名推理だったかのようなストーリーが完成します。
◆ 語られない敗戦の山
そして、忘れてはいけないのが、大半の馬券は外れているという事実。
- 勝ったレース:3連単〇万馬券
- 負けたレース:覚えてない or 言わない
こうなると、自然と「勝った記憶だけが積み重なり、美談化」していきます。
◆ まとめ:「美談」として聞く距離感が大切
3連単の成功談を聞いたときは、こう思っておきましょう。
「なるほど、すごい。でも、その裏にはきっとたくさんの挑戦があったんだろうな」
その距離感を保つことで、自分の馬券スタイルをブレさせずに済みます。
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