競馬では「少頭数は堅い」「頭数が増えるほど荒れやすい」とよく言われます。
これは感覚的にも理解しやすい格言ですが、地方競馬でも同じように通用するのでしょうか。
この記事では、地方競馬の2022年から2024年までのデータを使って、頭数と波乱度の関係を検証します。
分析条件
| 対象 | 地方競馬 2022年-2024年 |
|---|---|
| 除外 | 5頭未満のレース |
| 件数 | 40,692レース / 408,272頭 |
| 主な論点 | 頭数別の1番人気勝率、勝ち馬の平均単勝、上位人気決着率 |
まず結論
- 「少頭数は堅い」はかなり支持されます。5-7頭立てでは、1番人気の勝率が51.71%でした。
- 「多頭数は荒れる」も支持されます。13頭以上では、1番人気勝率が37.54%まで下がり、勝ち馬の平均単勝は10.14倍まで上がりました。
- ただし、多頭数でも完全な大荒れではありません。13頭以上でも勝ち馬の68.71%は3番人気以内でした。
検証1: 頭数で1番人気の信頼度はどれだけ変わるか
まずは、もっとも実戦で使いやすい1番人気の勝率を頭数別に見ます。
| 頭数帯 | レース数 | 1番人気勝率 | 勝ち馬平均単勝 | 20倍以上の勝ち馬率 |
|---|---|---|---|---|
| 5-7頭 | 3,752 | 51.71% | 4.41倍 | 2.83% |
| 8-10頭 | 19,245 | 45.96% | 6.32倍 | 5.54% |
| 11-12頭 | 15,154 | 42.24% | 8.04倍 | 7.88% |
| 13頭以上 | 2,541 | 37.54% | 10.14倍 | 10.98% |
差はかなりはっきりしています。
5-7頭では1番人気がほぼ2回に1回勝つのに対し、13頭以上では4割を切りました。
一方で、勝ち馬の平均単勝は頭数が増えるほど上がっており、頭数の多いレースほど配当妙味が出やすいことも確認できます。
検証2: 「荒れる」と言ってもどこまで荒れるのか
次に、上位人気がどこまで勝ち切っているかを見ます。
| 頭数帯 | 3番人気以内の勝利率 | 20倍以上の勝ち馬率 |
|---|---|---|
| 5-7頭 | 86.70% | 2.83% |
| 8-10頭 | 79.66% | 5.54% |
| 11-12頭 | 73.95% | 7.88% |
| 13頭以上 | 68.71% | 10.98% |
ここで重要なのは、頭数が増えるほど荒れやすいのは事実でも、13頭以上ですら勝ち馬の約7割は3番人気以内に収まっていることです。
つまり、「多頭数だから全部穴狙い」はやりすぎで、実際には上位人気の信頼度が少しずつ落ちる、と捉える方が実戦向きです。
検証3: 会場ごとに傾向は同じなのか
主要4場で1番人気勝率を比べると、傾向は概ね共通していました。
| 場所 | 5-7頭 | 8-10頭 | 11-12頭 | 13頭以上 |
|---|---|---|---|---|
| 大井 | 52.31% | 43.69% | 40.14% | 37.63% |
| 園田 | 56.31% | 45.66% | 42.03% | – |
| 名古屋 | 44.16% | 43.50% | 42.12% | – |
| 佐賀 | 48.96% | 43.89% | 45.78% | – |
園田は少頭数でかなり堅く、大井は多頭数サンプルが多くても13頭以上で37.63%まで落ちました。
会場差はあるものの、「頭数が増えると1番人気の信頼度が下がる」という方向性は共通しています。
馬券でどう使うか
- 5-7頭立ては、1番人気を無理に嫌うより、相手選びを詰める方が効率的です。
- 11頭以上では、1番人気を軸にしても相手は広めに取る方が自然です。
- 13頭以上は平均配当が上がりますが、上位人気の勝率が消えるわけではありません。中穴までを丁寧に拾う方が現実的です。
まとめ
今回の検証では、「少頭数は堅い、多頭数は荒れる」という格言は地方競馬でも概ね支持されました。
ただし、重要なのは二択で考えないことです。
少頭数は1番人気の信頼度が高く、多頭数は波乱度が上がるものの、完全な大荒れが標準になるわけではありません。
頭数は、人気を丸ごと切る材料ではなく、人気の信頼度をどの程度下げるかを調整する材料として使うのが実戦向きです。

