◆ 西田式スピード指数とは?
西田式スピード指数は、競走馬のパフォーマンスを「走破タイム」などをもとに数値化した指標で、以下の式で求められます。
スピード指数 = ( 基準タイム - 走破タイム ) × 距離指数 + 馬場指数 + ( 斤量-55) × 2 + 80
- 基準タイム:過去データから求められたコース・クラス別の標準タイム
- 走破タイム:実際のレースタイム
- 距離指数:距離に応じた調整係数
- 馬場指数:当日の馬場状態に対する補正
- 斤量補正:負担重量の違いを考慮
数式がシンプルで、過去走との比較や能力把握に使いやすいため、特に地方競馬のファンに支持されています。
◆ 西田式スピード指数の問題点
① 競馬場の微細な変化を反映できない
- 砂厚の変化(例:9.5cm → 10.5cm)
- 含水率、クッション値、路盤整備などの馬場状態の違い
- これらは「馬場指数」だけでは吸収しきれず、実際の走破タイムに直接影響するため、指数がブレやすいです。
② 時代による馬や騎手の能力変化
- 過去の基準タイムや距離指数をベースにしている場合、現在の馬や騎手の水準と乖離する可能性があります。
- 騎手の技術革新や育成技術、育成施設の進化などもタイム全体に影響します。
③ 開催場所ごとのレースレベルが反映されない
- 地方競馬は開催地によってレースレベルに大きな差があります。
- 例:門別 vs 高知
- しかし西田式はタイムのみを見ているため、相対的なレースレベルの差を考慮できません。
- 結果として「強い馬が弱く見える」「逆も然り」という誤判定が発生します。
④ 展開・ペースの影響を受けやすい
- 先行馬有利なスローペースで楽勝したタイムと、差し馬がハイペースを追いかけたタイムが同列に扱われてしまいます。
⑤ 斤量補正が一律
- 実際には馬のタイプ(パワー型・スピード型)、年齢、体重などによって斤量の影響度は異なります。
- 「(斤量-55)×2」という一律な補正では個別性を反映しきれません。
◆ まとめ:西田式指数は「参考指標の一つ」として活用すべき
西田式スピード指数は「馬の能力をタイムから簡易的に把握できる」便利な指標ですが、万能ではなく、盲信は危険です。
特に地方競馬では、
- 馬場状態の細かな違い
- 開催地によるレベル差
- 騎手・馬の質の変化
などを指数以外の視点でも補足することで、より精度の高い予想に近づくことができます。
コメント